レパートリー幅広く、埋もれた曲を発掘
なにわコラリアーズ
 1993年創立。「さわやかにかっこよく」をモットーに、大阪を中心に活動している。全日本合唱コンクール全国大会で6年連続金賞を受賞。2001年にIFCMアジア太平洋合唱シンポジウムに招待され、コンサートとワークショップで演奏を披露。宝塚国際室内合唱コンクールでは、03年に総合1位 を獲得した。創設者であり常任指揮者である伊東恵司のもと、近現代の作品を主なレパートリーとし、知られざる合唱曲を掘り起こしている。広い年齢層とさまざまな経験をもった人々の集団として、現在日本の合唱界で注目を浴びている男声合唱団である。
新たな手法でポピュラー音楽へ挑戦
ヴォーカル・ライン(デンマーク)
 1991年に現在の指揮者イェンス・ヨハンセンによって結成された。32人の団員の大半がデンマーク王立音楽アカデミーやオーフス大学で正式な音楽教育を受けたメンバーで、ヨーロッパの伝統と、現代的なアメリカのア・カペラ・スタイルを融合した音楽スタイルが特徴。レパートリーは、ポップス風、ロック風、ジャズ風、ワールド・ミュージック風のオリジナル作品や編曲作品だが、伝統的な歌唱法による豊かな表現力が彼らの独特な音楽を形づくる。指揮者のヨハンセンは、王立アカデミーやオーフス大学で、「ポップ・ロック・ジャズ合唱団のための編曲」「クラシックと現代音楽の理論と分析」「現代の合唱団の指揮」などの講義も持つ。
子供時代から同じ教育で育つ
オランダ・ユース合唱団(オランダ)
 1996年に設立された、20人の学生からなる女声合唱団。その多くは、オランダ声楽家協会が共に運営するオランダ児童合唱団の卒団生で、幼少期から一貫して同じメソッドの声楽教育を受けているのが特徴。団員がプロのコーラス歌手の道を歩むことを目標としているだけあって、メンバーの技術的な能力の高さへの信頼は厚く、オランダ室内合唱団、オランダ放送合唱団などに人材を輩出している。2001年、スペインのトロサ国際合唱コンクール・アンサンブル部門で、宗教曲の部第2位 、世俗曲の部第1位を受賞。芸術監督は指揮者のヴィルマ・テン・ヴォルデ。顧問委員にエリク・エリクソン(スウェーデン)とトン・コープマン(オランダ)が名を連ねる。
スウェーデンの生んだ古楽カルテットの新星
スコラ・ゴティア(スウェーデン)
 1999年結成の女声四重唱団で、レパートリーの中心はグレゴリオ聖歌と14〜15世紀の初期の多声音楽。当時の写 本の研究をもとに演奏に取り組んでいるのはもちろんのこと、中世の慣習に従って、大型の譜面 台に置かれた「クワイア・ブック」と呼ばれる一冊の楽譜を4人で囲みながら歌い、さらにはコスチュームも当時のレプリカを着用するなど、中世のオーセンティックな演奏スタイルを重視した演奏活動を続けているグループである。リーダーのウルリケ・ハイダーはオランダで古楽を学んだドイツ生まれの音楽家。指揮者、オルガニストとしても活動している。彼女以外の3人はいずれもスウェーデンのイエーテボリ音楽院の出身。
共通 の音楽体験もとに独自性
カンタービレ・リンブルク(ドイツ)
 メンバー18人の音楽のルーツは、1970年代はじめのリンブルク聖堂少年合唱団にさかのぼる。彼ら全員が音楽教育を受けた場所だ。そうした共通 の音楽体験に加え、結成以来メンバーが変わっていないという一貫性が、独特の「カンタービレ・サウンド」を作り上げる。レパートリーは古典的なポリフォニーからマドリガル、シューベルトからレーガーまでのロマン派の歌曲、現代曲、さらにはポップスやジャズなど、多種多様。男声合唱の有名小品を集めたCD「Ma¨nnergesang」が独Carusレーベルから発売されている。指揮者のユルゲン・ファスベンダーは、数々の合唱団の指揮者として、さまざまな合唱組織の役員として活躍する、ドイツを代表する合唱指揮者の一人である。
男声でも混声の音域に迫る演奏
ヴォカールアンサンブル・アニマ(ロシア)
 カウンターテナー、テナー×2、バリトン、バス×2の6名の男声アンサンブル。メンバーは全員がサンクトペテルブルク音楽院の卒業生だ。芸術面 における同アンサンブルのモットーは、可能な限り広範なレパートリーを取り込むこと。本来は混声合唱のために作られた作品も、彼らオリジナルの編曲の魔術により、まったく新しい響きを獲得する。優秀なカウンターテナーの存在ゆえ、彼らがカバーする声域は、実際に混声合唱の音域にきわめて近い。リーダーのヴィクトル・スミルノフは、88年にグリンカ合唱学校を卒業、88年から95年までサンクトペテルブルク音楽院で指揮法を学んだ。数年間の合唱歌手としての活動ののち、在学中の92年に「アニマ」を創設した。
エネルギッシュで印象深い演奏
フィロメラ(フィンランド)
 フィロメラはフィンランドのヘルシンキの30人の女声合唱団。エネルギッシュで印象深い演奏は女性の生涯の喜びや悲しみをとりあげたものが多い。演奏の多くはフィンランドの叙事詩カレワラを素材としている。フィロメラは声を自由にあやつり、美しい声から粗い声、小さい声から大きい声まで、また(身体の)動きも使って音響空間を創造的に多面的に使って演奏している。評論家は「今まで見たこともない」そして「感動的な」演奏と評価、20年間にヨーロッパ各国に加えてアルゼンチン、ブラジル、カナダ、キューバ、日本、アメリカで公演、世界中の人々に感動を与えている。マユルッカ・リーヒマキは、合唱指揮者として活躍、合唱表現の新しい方法を彼女の合唱団で創造的に試して育成している。ヘルシンキのシベリウス高等学校で音楽の講師を務め、合唱団も指揮している。他にフィロメラとクレメッティ・インスティテュート女声合唱団、グレックス・ムジクス室内合唱団を指揮している。合唱団と世界中で公演し、心に残るワークショップを担当、数多くのコンクールの審査員としても活躍。 “自身を100パーセント音楽に捧げなくてはならない”をモットーに掲げ、彼女自身も確かにこのモットーのとおりに生きている。
国内外のコンクールで高い評価
ヴォーカルアンサンブル《EST》
 1992年、本格的な室内合唱団として津市で結成される。ルネサンス時代から現代までの世界中の音楽をレパートリーとし、主催コンサートのほか、海外の合唱団とのジョイントコンサートや教会コンサートを開催。宝塚国際室内合唱コンクールでは、2000年に総合1位 となるなど、常に高い成績を収めている。01年には、第7回マルクトオーバードルフ国際室内合唱コンペティション(ドイツ)で銀賞(優秀演奏賞)を受賞、同時に合唱団の指揮者を務める向井正雄も現代音楽解釈における最優秀指揮者賞を受賞している。03年には第15回ヨーロッパカンタート(スペイン)にも参加した。
「世界一の合唱団」の理想掲げ
合唱団京都エコー
 現団長・常任指揮者・音楽監督である浅井敬壹が「千年の古都・京都に世界一の合唱団を」との理想を掲げて、1963年に創立した。70年に全日本合唱コンクール全国大会初出場を果 たし、80年からの20年間、連続金賞を受賞。単独演奏会を不定期に開催する一方、パリ管弦楽団(セミヨン・ビシュコフ指揮)、新日本フィルハーモニー(小澤征爾指揮)等、著名なオーケストラ、指揮者との共演やCD録音なども行なっている。88年には、旧東西ドイツで単独演奏会を開催。ライプツィヒとミュンヘンの公演は、現地の新聞に「完璧なドイツ的様式の演奏」と絶賛された。
欧州の古典から邦人の新作まで
ク−ル・ジョワイエ
 1971年に創立された男声合唱団。以来「良い音楽」を求めて、演奏曲は「ヨ−ロッパの音楽的中心地で時代を遡った作品」、「ヨ−ロッパの音楽的中心地から地理的に離れた国の作品」、「日本の作品」の3点を中心に、演奏活動を続けている。新作の委嘱にも取り組み、三善晃「いのちのうた」、戸島美喜夫「もどりうた」などを初演した。85年に愛知県文化選奨文化賞を受賞。全日本合唱コンク−ル全国大会で、何度も金賞を受賞している。常任指揮者の高須道夫は、名古屋フィルハ−モニ−交響楽団定期演奏会のブラ−ムス「ドイツレクイエム」ほか、名古屋で公演された多くのオペラなど数々の合唱指揮・指導を行なっている。
杜の都に「合唱の森」づくり目指し
グリーン・ウッド・ハーモニー
 1948年、戦災で焼け野原になった杜の都仙台に「再び緑の森を!」という願いをこめて設立、合唱団の愛唱歌であるメンデルスゾーンの「緑の森よ」にちなんでこの名が付けられた。以来、多くの指揮者に育まれ、74年に現常任指揮者の今井邦男を迎えて飛躍的に発展した。現在、団員約100名の混声合唱団として、年1回の定期演奏会の他、さまざまな演奏会やコンクール等で活躍している。レパートリーはルネサンス、バロックから現代曲まで多岐にわたる。全日本合唱コンクール全国大会に21回出場、金賞を5回受賞している。
ア・カペラを中心に豊かな音楽性追求
室内合唱団 VOX GAUDIOSA
 1996年発足。ルネサンスから近現代まで、ア・カペラを中心とする国内外の合唱音楽を通 じて、純正調のハーモニーと豊かな音楽性による表現を追求している。全日本合唱コンクール全国大会で、2001年と02年に文部科学大臣奨励賞を受賞。年1回の定期演奏会のほか、エストニアや台湾への演奏旅行、バルトーク国際合唱コンクール(04年ハンガリー)に出場するなど、海外での活動にも積極的に取り組んでいる。常任指揮者の松下耕は、合唱音楽の作曲家としても国内外で高い評価を受けており、自作品が国際合唱コンクールで最優秀賞を受賞するなど、広く世界で活躍している。
選りすぐりの若い歌い手を結集
ジャパンユース合唱団
 世界青少年合唱団とアジアユース合唱団を経験した約40名のメンバーで、次世代に向け、国際的な合唱団をめざして結成された。世界青少年合唱団とは、国際合唱連合と青少年音楽国際連合が毎年行なう国際プロジェクト。アジアユース合唱団とは、2年毎に新潟県主催で行なうアジア文化祭のミュージックセッションのひとつ。いずれもオーディションによって選ばれた若者たちがミュージックキャンプと演奏旅行を行ない、若者たちの音楽性を高めるとともに、国際交流の場となっている。ジャパンユース合唱団の第1回演奏会は、2001年4月に神戸で開催された。

邦人作曲家と協力、新作演奏に意欲
多治見少年少女合唱団
 1973年に青年会議所、教師、教育委員会によって設立された。レパートリーは、古典から現代合唱曲、ジャズまでと幅広い。作曲家と協力し、新しい日本の現代合唱曲を生み出して演奏することを活動の中心に据えている。毎年、地域でユニセフのチャリティーコンサートや定期演奏会を行ない、また、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、韓国など海外にも出かけ活躍している。現指揮者の田中信昭は、日本のプロ合唱団である東京混声合唱団の創立者であり、現在は桂冠指揮者。世界青少年合唱団日本公演(97年)、世界青少年合唱団冬セッション(99-2000年、ベルギー)、アジアユース合唱団新潟(98年)の指揮も担当した。

6歳から合唱の基礎学び幅広く
東京少年少女合唱隊・LSOTシニア&ユース・コア
 1951年、故ポーロ・アヌイ神父と長谷川新一のもとに「ルネサンスの楽曲を日本の子供たちにも」と誕生。6歳から高校・大学生などによるグループまで5段階に分かれて練習している。55年世界児童合唱連盟プエリ・カントレスに加盟、日本支部となる。年2回の定期演奏会のほか、国内外への演奏旅行や交響楽団・オペラ劇場との共演などの活動を行なっている。海外公演は26回を数え、近年ではパリの秋フェスティバル(97年)、ルツェルン音楽祭(2000年)に招聘される。現在、正指揮者は長谷川冴子。常任指揮者として長谷川久恵が指導にあたっている。
ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、
オセアニアそしてアジアの各地域を代表する世界トップレベルの合唱団をはじめ、
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いま世界の合唱音楽がどのような姿なのかを、
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プロの芸術団体とも積極的に共演
カンティクム室内合唱団(オーストラリア)
 エリク・エリクソンに師事した女性指揮者のエミリー・コックスにより1995年に結成された。自主運営のセミプロ級室内合唱団で、団員の年齢は18歳から50歳。ルネサンス期から現代にいたる幅広いレパートリーと斬新なプログラム構成を通 じて、室内合唱という芸術様式の啓蒙に努めている。プロの芸術団体とも頻繁に共演しており、クイーンズランド・バレエ団、クイーンズランド管弦楽団やクイーンズランド青少年交響楽団とのコンサート、ブリスベーン・フェスティバル、クイーンズランド音楽祭での演奏がある。98年の全豪合唱協会主催合唱フェスティバルでは招待演奏を披露した。
アジア太平洋地域
カンティクム室内合唱団(オーストラリア)
広東実験中学校合唱団(中国)
パラヒャンガン・カトリック大学合唱団(インドネシア)

サン・ミゲル・マスター・コラール(フィリピン)
韓国国立合唱団(韓国)
オルフェオン室内合唱団(トルコ)

アフリカ地域
ラ・グラース(コンゴ民主共和国)

南アメリカ地域
ビクトリア合唱団(グアテマラ)

北アメリカ地域
ウィニペグ・シンガーズ(カナダ)
ニューヨーク市ヤング・ピープルズ・コーラス(アメリカ)
ルイビル大学カーディナル・シンガーズ(アメリカ)
サンフランシスコ・ガールズ・コーラス(アメリカ)

ヨーロッパ地域
オスロ室内合唱団(ノルウェー)
ノルディック・ヴォイセズ(ノルウェー)
ヴォーカル・ライン(デンマーク)
オランダ・ユース合唱団(オランダ)
スコラ・ゴティア(スウェーデン)
カンタービレ・リンブルク(ドイツ)
ヴォカールアンサンブル・アニマ(ロシア)
フィロメラ(フィンランド)
日 本
ヴォーカルアンサンブル《EST》
合唱団京都エコー
ク−ル・ジョワイエ
グリーン・ウッド・ハーモニー
室内合唱団 VOX GAUDIOSA
ジャパンユース合唱団
多治見少年少女合唱団
東京少年少女合唱隊・LSOTシニア&ユース・コア
なにわコラリアーズ
中国で最も優れた学生合唱団のひとつ
広東実験中学校合唱団(中国)
 1952年に結成、中国で最も優れた学生合唱団のひとつ。広州代表として各種国内コンクールに参加し、多くの賞を受賞。広州学生合唱コンクールでは9回連続第1位受賞という抜群の成績をあげた唯一の合唱団として、模範合唱団の称号を与えられた。2000年オーストリアで開催された第1回合唱オリンピックでは青少年合唱団部門とア・カペラ民謡部門で第1位、現代音楽部門で第3位を受賞。このほか、音楽の友好使節としてドイツ、オーストリア、ベルギー、日本、韓国、台湾など各国を訪問して演奏、高い評価を得ている。指揮者はシェィ・ミンジン。
学内行事から国際コンクールまで幅広く
パラヒャンガン・カトリック大学合唱団(インドネシア)
 1962年、学生の音楽的才能や鑑賞力を高める場として設立された。大学の儀典部に属するが、学位 授与式、入学式といった学内行事などで演奏するだけでなく、国内外での演奏活動も活発。インドネシア合唱コンクールで3年連続優勝を果 たすとともに、アルンヘム(オランダ)で開催された95年国際合唱コンクールでは最高点を記録した。最近では、マルクトオーバードルフ(ドイツ)での2003年第8回国際室内合唱コンクールで第1位 に輝き、同時に、宗教合唱作品について最も優れた解釈を示したことが評価されて「グスタヴ=シャルリエ賞」も受賞した。指揮者のアヴィプ・プリアトナは若手ながら国際的にも数多くの賞を授与されている。
第一級の歌手を結集したプロ合唱団
サン・ミゲル・マスター・コラール(フィリピン)
 フィリピンで最初のプロ合唱団。同国の芸術文化の充実に努めているサン・ミゲル舞台芸術財団により2000年11月創設された。以来、さまざまな合唱作品の初演を手がけてきており、特にフィリピンの文化センターで開催された「ランドスケープ(風景)」と題した単独コンサートは批評家の絶賛を博した。また、ジュリアン・キリット指揮のサン・ミゲル・フィルハーモニック管弦楽団との共演を録音したCD「ライアン・カヤビヤブの宗教曲」も発売している。現在のフィリピンで最も優れた歌手を結集しているだけにその実力は傑出しており、02年だけでも、台北国際合唱祭などの国際音楽祭に参加している。
創造的な合唱音楽の舞台にも挑戦
韓国国立合唱団
 1973年、韓国初のプロ合唱団として設立された。年4回の定期的コンサートと2回の国内ツアーを実施、それ以外の特別 プログラムや国立歌劇団の定期公演にも参加している。レパートリーは、ルネサンスから現代の合唱芸術まで幅広い。合唱、舞踊そして戯曲を統合した独自のスタイルのミュージカルを制作する実験的な舞台にも挑戦するなど意欲的。海外公演としては、香港で開催された世界合唱祭に招待され、ホノルル交響楽団とも共演している。これまで団員からは多くのオペラ歌手やソリストを送り出している。
さまざまな職業のアマチュアで設立 満10年
オルフェオン室内合唱団(トルコ)
 国内外のフェスティバルやコンテストに参加したことのあるアマチュアの合唱人たちにより1994年に設立された。合唱団の目的は、世界各地のさまざまな時代、地域の合唱音楽の中から優れた作品を演奏すると同時に、トルコの聴衆にポリフォニー合唱音楽を広めることにある。多言語にわたるレパートリーは、中世、ルネサンス、古典、ロマン派および現代の作品と、トルコ人作曲家の作品から構成されている。国内のコンサートで多数の賞を受賞しているばかりでなく、98年6月、ハンガリーで開催された第18回バルトーク国際合唱コンテストでは、ハンガリー作品の正統的な演奏に対しハンガリー文化大臣から特別 賞を授与された。
聖歌隊指揮者の中から選ばれたメンバー
ラ・グラース(コンゴ民主共和国)
 コンゴの首都の福音教会の聖歌隊指揮者の中から選ばれたメンバーで構成される、45名の混声合唱団。主なレパートリーはアフリカ・ゴスペル、コンゴのポピュラーソング、伝統音楽で、多数の音楽祭に出演。また、演奏活動だけでなくセミナーやワークショップで唱法の普及にも努めている。 指揮者アンブロワーズ・クア・ンザビ・トコは初代コンゴ合唱協会会長(現職)。キンシャサを中心にコンゴ内外で数多くの合唱団を指揮しているほか、作・編曲家としても活動。合唱の機関紙カンテムスを編集し、長年コンゴの合唱運動に関わった人たちの記念祭を開催するなど、アフリカ合唱音楽の普及に情熱を傾けている。今年8月には声楽や合唱、合唱指揮を学ぶ音楽学校を設立する予定。
先生も児童も「合唱でつなぐ」音楽学校
ビクトリア合唱団(グアテマラ)
 現在の指揮者であるフリオ・セザール・サントス・カンポスが、音楽学校のヘスス・マリア・アルバラード校で、1984年3月7日に結成した合唱団である。団員は同校学生のほかは国立音楽院の学生から構成されている。合唱団の基本的な目的は、合唱音楽を通 してグアテマラの子供たちを教育する点にあり、「合唱でつなげ小学教育」という名のコンテスト運動を推進している。その一環として合唱団員、指揮者双方を対象に研修会を実施、例えば、ある研修会では譜面 の読み方を、また別の研修会では合唱指揮法を扱うといった具合だ。合唱団がいわば合唱音楽学校とも言える。これまで10回の海外公演を行なっている。
カナダ屈指の室内合唱団
ウィニペグ・シンガーズ(カナダ)
 24人編成の声楽アンサンブルとして、会員制コンサート、演奏旅行、放送番組出演など幅広く活動している。そのレパートリーも中世のオルガヌムから現代音楽まで広い。新曲の作曲委嘱は同合唱団の重要な仕事のひとつである。2002年6月、トロント国際合唱音楽祭に招かれて出演、また03年5月には、カナダ合唱指揮者協会の全国会議「ポディウム2004」出演。カナダ評議会のヒーリー・ウィラン賞を2回受賞し、カナダ最高の室内合唱団体として知られている。ユーリ・クラッツは、ロシアのペトロザボーツク生まれの指揮者。1982年、ペトロザボーツク音楽学校助教授、87年、カレリアン・アート・センター室内合唱団の芸術監督を歴任の後、03年4月から当合唱団の芸術監督を務めている。
ラジオ専属児童合唱団としても活躍
ニューヨーク市ヤング・ピープルズ・コーラス(アメリカ)
 ニューヨーク92丁目Yに本拠を置く児童合唱団で1988年に創設。ニューヨーク市内外で毎年40以上のコンサート、オペラ、ワークショップに出演している。カーネギー・ホールやホワイトハウスをはじめカナダ、ヨーロッパ各地でも演奏を行ない、国際的にも評価されている。2003年から、最も優れたメンバーはニューヨークのラジオ局WNYCで専属児童合唱団として活動している。創設指揮者のフランシスコ・J・ヌネイスは作曲家でもあり、最近、Boosey & Hawkes社の新シリーズ「Transient Glory」の編者となった。このシリーズは同合唱団の初演作品を含み、現在最も傑出した作曲家によって書かれた児童合唱曲を集めたものである。
ヨーロッパのコンクールやフェスティバルで受賞
ルイビル大学カーディナル・シンガーズ(アメリカ)
 ルイビル大学カーディナル・シンガーズはルイビル大学の奉仕活動団体で大学内外でのさまざまなイベントで演奏している。いろいろな音楽様式の曲を演奏しているが特にアカペラの現代曲に力を入れている。最近では2004年合唱オリンピック(ブレーメン)、2005年5月リンデンホルツハウゼンハーモニーフェスティバル、2005年5月マルクトオーバードルフ国際室内合唱コンクールなどヨーロッパのコンクールやフェスティバルで受賞している。ケント・ハッテバーグはドゥブク大学でピアノと声楽を、アイオワ大学で合唱指揮を学んだ。フルブライト奨学生としてベルリンでメンデルスゾーンの初期の作品を研究、1997年にはメンデルスゾーンのグローリアの世界初演を指揮した。アメリカ国内外で客演指揮者としてもたびたび活躍、オランダ室内合唱団の演奏旅行も指揮している。2002年、2005年ルイビル大学奨学生、2004年KMEA指導者賞受賞。2年毎にケンタッキー・アンバサダー合唱団ヨーロッパ演奏旅行を指揮。
理想的な環境で少女たちの声を鍛える
サンフランシスコ・ガールズ・コーラス(アメリカ)
 7歳から18歳までの少女を対象とした音楽教育と合唱訓練の地域センターとして1978年に創設。48都市から300人以上が参加し、“少女たちの声を訓練する理想的な機関”として、その活動は高く評価されている。同合唱団の演奏は、サンフランシスコ交響楽団のレコーディング「ストラヴィンスキー作曲:ペルセフォネ」(グラミー賞受賞作)などで聴くことができる。また、サンフランシスコ・コンテンポラリー・ミュージック・プレイヤーズによってリリースされたCDも話題を呼んでいる。指揮者のスーザン・マクメインは、セントルイス大学とノースダコタ大学で音楽を教えながら、同合唱団やセントルイス女声合唱団を指導。数々の賞を受賞し、合唱研究者・講師としても知られている。
民族音楽の歌唱法導入に特色
オスロ室内合唱団(ノルウェー)
 1984年、ノルウェー国立音楽アカデミー助教授も務める女性合唱指揮者グレーテ・ペデルセンにより結成された。約35人のメンバーは、プロの音楽家および豊富な合唱経験を有するアマチュアから構成されている。レパートリーにはグレゴリオ聖歌、古典派、北欧の現代音楽、ノルウェーの民族音楽、ジャズなども含まれているが、この合唱団を特に有名にしたのは、民族音楽の画期的な演奏によってである。通 常単一の声で歌われる"kveding"と呼ばれるノルウェーの伝統的な歌唱法を合唱の形式に取り入れ、高い水準の革新的な演奏を即興でやってのけたのである。国際的な演奏活動やCD録音も数多くこなす、ノルウェーのトップクラスの合唱団のひとつである。
世俗曲も宗教曲の演奏も高水準
ノルディック・ヴォイセズ(ノルウェー)
 1996年にデビューした6人編成のア・カペラ・アンサンブル。その幅広いレパートリーには、中世の音楽からルネサンス作品、リゲティやベリオなどの現代音楽に至るまで多様な作曲家の作品が含まれる。99年、スペインのトロサ国際合唱コンクールのアンサンブル部門において世俗曲と宗教曲の2ジャンルで第1位 を獲得するなど、演奏面の充実とともに着実に活動の場を広げてきた。02年にリリースした初CD「Sense and nonSense」(米国JDRレーベル)につづき、03年にはスペインとフランドルの16世紀作品を集めたCD「カール5世の時代」を発表。現在、世界各地から演奏旅行のオファーが殺到している注目株だ。