過去の参加者の感想


坂口和彦さん(大阪)

シンポジウムは実に「Great!」。過去に、ヨーロッパ・カンタートなどに3回くらい参加したことがありますが、初めて世界合唱シンポジウムに参加してみて、「Great!」の一言です。知らないことが多すぎるので、いろいろなことを再確認し、たっぷりと勉強させていただきました。レクチャーやワークショップにはすべて出ました。

金川明裕さん(東京)

8日間の日程の中、14回のコンサート、10余りのワークショップに参加しました。私のサビついた英語力では3割程度の理解がやっと。でも、そこには音楽の強み、最高の共通 言語は、やはり「美しい音」でした。  お馴染み、シャンティクリアの明るいサウンドで始まったコンサート。大会2日目に登場したアルメニアの子供たちの伸びやかな演奏に、のっけからアッパーカットを喰い、早くも2ラウンドダウンという体たらく。巨匠H・リリンク指揮ペンデレツキ「クレード "Credo"」はボディにじわじわと利き、圧巻は大会7日目、セント・ポール大聖堂でのカリュステ指揮WYC2002の演奏。大聖堂の構造を最大限利用したタリスの40声のモテット「汝よりほかに望みなし」は、まさにドーム天井から福音が降ってくるがごとく。極めつけは、その後に演奏されたマーラーの編曲物2作。若者たちが醸し出すアンニュイな暖かさの中で、法悦というこういうことなのかと、実体験させられました。  もう思い残すことはなく、日本に帰れると思ったのは早計。最終日のノルウェー・ソロイスツ・クワイアは、大人の完璧なアンサンブルを聴かせ、なるほど、今大会はこれで締めたかったのだなぁ、と納得させられたものです。

浅井敬壹さん(京都)

私が中学の時、アイアムアボーイと英語の時間に教えてくれた先生は、家庭科の男の先生だった。それ以後、今日まで語学力は最低の最低である。  ミネアポリスの講座のなかにいた私は、講師の話される英語の中で、国名以外は何もわからなかった。わからないのは恥ずかしいから、アメリカ人の受講者が笑うのに先がけて一秒早く笑うことに意識を集中させた。講座が終わると少し疲れたが、なんともいえない共有感があった。言葉はわからなかったが、そこには音楽があったからだ。  ……これを一週間、一つも休まず、私はすべての講座に出席した。語学のまったくできない私だが、ミネアポリスの一週間ほど音楽する──特に合唱音楽に接する―─ことが、こんなにも素晴らしいと身をもって知った時間は過去にはなかった。だけど言葉がわからなくって楽しかった私が、もしわかっていたら、もっともっと素晴らしかったのだろう。そのことが残念。今、私は「I can not speak English at all !」とすらすら言える。